証拠不十分
*この物語はフィクションです。
「実は、俺が釈放されたのは、赤髪の男の死体の傍に、とある物体が落ちていたからなんだ。」
マサはボソッと呟く。
「証拠不十分じゃなかったのかい?」
俺はマサに訊く。
「それは最終的結論に過ぎない。
これは警察官から教えて貰った情報なんスけど、死体の傍に謎の人物の髪の毛が落ちていたそうなんスよ。」
マサは声を潜めて俺に言う。
「謎の人物の髪の毛?」
「そう、加藤でもなく赤髪の男でもなく、俺でもなく、探偵さんでもない髪の毛。
落ちていた髪の毛は銀髪だったんですよ。」
「ぎ、銀髪…それじゃあ老人が殺人をしたと言うのか?」
マサはゆっくり首を横に振った。
「ところがその銀髪は、10代から30代前半の若い年齢の髪の毛だと判明したんですよ。
とにかく、その謎の銀髪が落ちているという事は、他の誰かが殺人をしたとして、俺の容疑を外したみたいなんスよ。
で、結論として…」
「証拠不十分、か。」
俺は呟いた。
10/06 08:04
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