「Navy」

極悪非道 2

*この物語はフィクションです。

京極 京(きょうごく けい)。
それが男の名前だった。
小さい頃、両親に捨てられ、悲惨な学生時代を過ごした彼は、やがて裏の世界に入った。
今ではヤクザの世界で彼の名を知らぬものは居ない。
最初は何処の世界にでも居る単なる不良だった。
それから暴走族の世界に入り、名を馳せた。
噂を聞きつけた暴力団の親玉が、ヤクザの世界に入ってみないかと彼を裏の世界へと引きずり込んだ。
断る理由など無く、彼はあるがままに受け入れ、
そして……

「やめてくれ! どうか子供の命だけは助けてくれないか!」

懇願。

「知るか」

絶望と悲鳴。

「頼む!」

「五月蝿ぇ。 とっとと“オトシマエ”つけやがれ!」

暴力。

「がぁぁあ!!」

呻き声。
京極は懐から小刀を取り出す。

「やめてくれ、助けてくれぇ!」

絶叫する男。

「あぁ、心配しなくていい。 指を1本切るだけでいいから」

京極は泣き叫ぶ男の左手を足で押さえつけると、小指めがけて小刀を振り下ろした。

「あぁあああああああああぁあぁっ!」

鮮血が飛び散った。
男は悲鳴を上げた。


05/12 08:20

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極悪非道 1

*この物語はフィクションです。

鮮血が飛び散った。
男は悲鳴を上げる。
その顔は恐怖で醜く歪んでいた。

「い、一体ここは何処なんだ!?」

裏返った声で男は目の前の人物に向かって叫ぶ。

「ふむ、此処は何処かは厳密には定められていないが、人間の言葉を借りて言うなら、此処は彼の岸と此の岸の狭間と呼ぶね。 いわゆるあの世付近」

ゆったりとした口調で質問に答えるのは若い特攻服姿の男。

「お前は一体何なんだ? お前は一体誰なんだ!?」

恐怖で震える男は、特攻服姿の男に再びいくつかの質問を投げかける。

「質問はひとつずつにしてくれないか。 私の名前はNavy(ネイビー)。 私を定義するものはこれといって何もないが、しいて言うなら『死神』と皆は呼ぶね」

黒色の特攻服が風になびいた。


05/12 08:19

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Poison.

*この物語はフィクションです。

「君はつくづく馬鹿な事をしたもんだね」
黒い特攻服姿の死神、Navy(ネイビー)は呆れた顔で若い男を見つめた。
若い男は衰弱しきってソファに倒れ込んでいた。
「薬は元々毒という事を知らなかったのかい?」
衰弱した若い男は首を縦に振った。
Navy(ネイビー)は小さく溜め息を吐き出す。
「全ての病気にかからない為に、様々な種類の薬を一気に飲むなんて……無謀にも程があるよ。 自殺行為だ」
男は何も言わない。
Navy(ネイビー)は更に説教を続けた。
「いいかい? 薬は病気を治す効果を持つ。 しかし、それと同時に副作用というものが発生するのだよ。 つまり、風邪を引いて風邪薬を飲むという行為は病気を治す為であり、その時に眠くなったりするのは副作用にあたるのだよ」
若い男はゼェゼェと息をつきながらNavy(ネイビー)を見つめる。
「薬は飲み過ぎると毒となる。 君はまず、精神科に行くべきだったのだよ」
Navy(ネイビー)は冷たく言い放ったのだった。

END.


05/04 20:45

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喫茶店にて 3

*この物語はフィクションです。

「俺は事故死する直前、一人、人間を殺しているのさ」
Sift(シフト)は微笑する。
しかし、目は全く笑っていない。
Navy(ネイビー)は目を見開き、呟いた。
「そんな訳ない!」
「いや、残念ながら俺は殺人者だ」
コーヒーを口に運ぶ。
「女を一人、殺したんだよ。 元カノがヨリを戻そうと迫って来てね。 うっとうしいから消した」
「な……」
Navy(ネイビー)は言葉が出ないまま、口をパクパクさせる。
「俺を一言で表すなら、冷徹な浮気者なんだよ」
凍りつくような瞳でNavy(ネイビー)を見つめる。
Navy(ネイビー)のアイスティーの氷が、カランと音を立てて崩れた。
「だから、俺を『師匠』なんて綺麗な言葉で呼ばないでくれないか?」
Navy(ネイビー)は小さく首を振った。
「……それでも私は貴方を師匠と呼びたい。 だって、過去(ソレ)を含めて師匠でしょう?」
Navy(ネイビー)は微かに笑ったのだった。

END.


05/03 23:21

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喫茶店にて 2

*この物語はフィクションです。

「俺は1977年7月7日に死んだ、ただの酷い男さ。」
Sift(シフト)は何処か自嘲的な微笑を浮かべると呟く。
「めでたい数字に死んだもんだろ?」
Sift(シフト)の口癖らしく、皮肉なもんだと笑った。
「両親から結婚の許可が下りてね、彼女に報告に行く途中で、交通事故で死んだんだ。
その次の年に彼女も死んでしまったんだがね。」
Sift(シフト)はまた一口、コーヒーを飲んだ。
「彼女は車を運転するのが好きでね。よく虹を見つけては俺に話し掛けてくれたよ。」
「師匠。」
それまで黙って話を聞いていたNavy(ネイビー)が、Sift(シフト)を呼ぶ。
「何処が酷い男なんですか?師匠はそんな極悪人なんかじゃ無いですよ。」
「まぁ、人の話は最後まで聞けよ。」
Sift(シフト)はNavy(ネイビー)に慌てるなと押し止めた。


03/11 23:39

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喫茶店にて 1

*この物語はフィクションです。

かつて、『喫茶店』は不良達の溜まり場だった。

喫茶店はコーヒー豆の心地良い薫りに包まれていた。
何処か年代を感じさせる古びたテーブルと椅子。
ウェジウッドの青い花柄のコーヒーカップをそっと持ち上げ、暖かいブレンドコーヒーを一口すする。
『Bittersweet Samba』という名の曲が店内に響く。
昔何処かで聴いた事のあるこの曲は、今でも多くの人に愛されている。

「俺はね、師匠と呼ばれる程、偉い存在なんかじゃないんだよ。」
Sift(シフト)はコーヒーカップをそっと受け皿に戻すと、Navy(ネイビー)に言った。
Navy(ネイビー)はアイスティーを一口飲んだ後、真剣な表情でSift(シフト)に訊いた。
「昔、何かあったんですか?」


03/08 03:38

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AGEHA 7

*この物語はフィクションです。

「しばらく待ってろ。新しい武器を作ってやる。」
Colt(コルト)はそう言うと、部屋を出て行った。
待つこと2時間。
Colt(コルト)はドアを開けると、真っ直ぐにNavy(ネイビー)の方に歩み寄り、スッと武器を差し出す。
「出来たぞ。新しい武器、名は『黒あげは』。使い方は自分で学べ。」
「あ、ありがとうございます。」
Colt(コルト)から手渡された新しい武器はやはり木刀で、ズシリと少し重たい。
Colt(コルト)はコクリと満足そうに頷き、
「じゃな。」
と言うや否や部屋から去って行った。
Sift(シフト)はNavy(ネイビー)の肩をポンポンと叩き、
「よかったな。」
と微笑んだのだった。

END.


03/08 03:10

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AGEHA 6

*この物語はフィクションです。

「いつっ!」
一瞬何の事か分からなかったが、しばらくして気が付いた。
Colt(コルト)はNavy(ネイビー)の血を吸っていた。
数分間そのままの姿勢でいたが、やがてColt(コルト)は血を吸い終わったらしく、Navy(ネイビー)からそっと離れた。
「ごち。」
手を合わせてニッと笑う。
「驚いた。君は吸血鬼かい?」
Navy(ネイビー)はColt(コルト)に言った。
「ん。祖父からの遺伝。」
Colt(コルト)は頷く。
「確か吸血鬼に血を吸われると吸血鬼になっちゃうんじゃなかったっけ?」
Navy(ネイビー)は恐る恐る訊いた。
「それはない。人間を吸血鬼にするには膨大な力がいる。私にそんな力は無いね。」
Navy(ネイビー)はホッと安堵した。


03/06 20:39

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AGEHA 5

*この物語はフィクションです。

「派手にやったな。」
Colt(コルト)は渋い顔で木刀を見つめた。
「これはもう直らない。」
Navy(ネイビー)はドッと重い溜め息を吐く。
「ですよね。」
「だが新しい武器なら作れる。」
「えっ?」
「新しい武器だよ。作って欲しいんだろう?」
Navy(ネイビー)は黙ってコクリと頷いた。
「分かった。新しい武器を作ってやろう。ただし、ちょっと協力してくれないか?」
「はい、何を?」
「ちょっとじっとしているだけでいい。最初はちと痛いが、慣れれば問題無い。」
「はぁ……」
Navy(ネイビー)はポカンとした顔でColt(コルト)を見つめていた。


03/01 09:16

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AGEHA 4

*この物語はフィクションです。

「呼んだか?」
女性がSift(シフト)を見てニヤリと笑う。
「Colt(コルト)じゃないか。」
Sift(シフト)はビッとColt(コルト)を指差した。
「そっちの黒いのとは初めて会ったね。私はColt(コルト)、職人だ。」
Colt(コルト)はNavy(ネイビー)に向かって手を差し出した。
「あ、ども。Navy(ネイビー)です。」
Navy(ネイビー)はColt(コルト)と握手する。
「早速だが木刀よこせ。」
Colt(コルト)は笑顔で手を差し出す。
「は?」
「木刀。」
「今Sift(シフト)に預けてます。」
Navy(ネイビー)が言い終わらない内に、Colt(コルト)はSift(シフト)の襟首をひっつかんだ。
「お前か。」
Sift(シフト)は涙目で折れた木刀を出した。


02/25 20:40

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