「Navy」

AGEHA 3

*この物語はフィクションです。

Navy(ネイビー)が始末書を書き終えた頃、Sift(シフト)は難解な表情で戻って来た。
そしてNavy(ネイビー)に一言。
「ごめん……武器これしか無かった。」
差し出したのは何故だか叩くとピコピコとシュールな音がするピコピコハンマー。
Navy(ネイビー)はリアクションに困った。
「どうやって戦えと?」
「こうしてしっかり握ってだな……」
ぴこっ。
ぴこっぴこっ。
ぴこぴこぴこぴ。
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ。
Navy(ネイビー)は露骨に嫌な表情を出した。
「師匠、撲殺していいですか?」
「……ごめん。」
ちょっと泣いた。
「お前らアホか。」
ピコピコやってるNavy(ネイビー)とSift(シフト)を見て、そいつはツッコむ。
「あ、お前は……!」
Sift(シフト)はそいつを指差しながら驚いていた。


02/23 09:46

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AGEHA 2

*この物語はフィクションです。

「で、破損した武器は何処だ?」
Sift(シフト)が訊くと、Navy(ネイビー)は真っ二つに折れた木刀をSift(シフト)に手渡す。
「派手にやったな。」
Sift(シフト)は顔をしかめると、木刀を観察し始めた。
「直りますかね?」
「無理。」
「どうしよ……」
「まぁ、適当に探して来てやるよ。ホラ、報告行ってこい。」
「はい、行って来ます。それじゃあ、武器をお願いします。」
Navy(ネイビー)はペコリと頭を下げ、報告に向かった。


気付くと春が来ていた。
だけど、未だに気温は低く、凍えるような寒さが続く。
窓から見える分厚い雪雲は名残惜しんだようにゆっくり動き、ゆらゆらと流れて行った。

「………」
Navy(ネイビー)は始末書と格闘していた。
カリカリと字を書く音が響く。
「『脱』って字はどう書くんだっけな?ま、適当でいいか。」
『脱』の字が何故だか『税』になっていた。


02/22 14:37

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AGEHA 1

*この物語はフィクションです。

あなたに会えた事で
世界を変えて行く
私は黒いアゲハ蝶のように羽ばたく……

「おや、珍しいな。」
Sift(シフト)という名の男の死神が、Navy(ネイビー)に声を掛ける。
「お久しぶりです、師匠。」
Navy(ネイビー)は柔和な笑顔を浮かべて挨拶する。
「師匠と呼ぶのは止めてくれよ。」
「嫌です。師匠は私の恩人ですから。」
Sift(シフト)もとい師匠と呼ばれた男は、照れくさそうに頭を掻いて言った。
「そういえば、君が此処に来る事はあまり無いのに珍しいなぁ。」
「えぇ、ちょっとヤボ用が出来て帰って来ました。」
そこは、生の世界と死の世界の狭間の忘れられた世界、Mira(ミラ)。
この世界は、死神にとって図書館のような機関である。
死人のデータや死神のデータが保存されている。
死神は時々こうして死人のデータを見たりするのである。
「鬼籍にのっていない人物の死亡の事件の真相の報告と、武器を破損したんで作って貰おうかと思いまして。」
「やれやれ、また君は厄介な事に巻き込まれたのか。」
呆れた顔でSift(シフト)は言う。
「と言うより自ら顔を突っ込んだ気がしないでもないんですがね。」
「ったく……そのお人好しな性格は直した方が身の為だと思うんだがね。」
「はぁ、努力します。」
Navy(ネイビー)は無表情で言った。
「お前、直す気無いだろ。」
Sift(シフト)はNavy(ネイビー)の表情を観察しながら言う。
Navy(ネイビー)はニヤッと笑った。



02/21 23:25

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裏表 4

*この物語はフィクションです。

「人間の心はそんなに綺麗じゃないし、汚くもない。
君が武器を持つのはね、誰かを守る為であり、自分を守る為でもある。
ただ、武器は使い方を誤ると悲劇を起こす。
言葉だってそう。
傷つける時もあるし、癒す時もある。
つまり、君が使い方を誤らなければいいという事。
怯える必要なんてないんだ。」
Rarry(ラリー)はNavy(ネイビー)の肩にそっと手を置く。
「だから行っておいで。」
「Rarry(ラリー)……」
Navy(ネイビー)はじっとRarry(ラリー)を見つめていた。
「もし君が武器の使い方を誤っていたなら、遠慮なくぶっ飛ばしに行くよ。」
Rarry(ラリー)は人懐っこい笑顔を浮かべる。
「分かった、行くよ。」
Navy(ネイビー)は微笑むと、螺旋階段をゆっくりと上り始めた。

END.


02/19 00:24

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裏表 3

*この物語はフィクションです。

「怖いんだ。自分という存在が。私は愚かで汚いんじゃないだろうかと思える時があるんだ。
いつか言葉で、手で、武器で他人を傷つけ、騙し、突き落とすんじゃないかっていつも怯えている。」
Navy(ネイビー)はうつ向く。
「君は何を迷っている?」
Rarry(ラリー)は視線を尖らせて言った。
「誰でも傷つき、傷つけているよ。
それでも懸命に生きているよ。
君はそこまで臆病じゃなかったはずだ。
何故武器を持つ事に躊躇う?
何の為に死神をしている?
何の為に存在している?」
「それは……」
「最初は好きで死神をやった訳じゃないはずだ。
君は過去を思い出して、怖くなったんだろう。
けど君は少しずつ変わったはずだ。
死神をやってて何かを学んだはずだ。
何の為に武器を持つ?」
「皆を守る為に武器を……」
「違う。君は一人で世界中の人々を守る事は不可能なんだ。
君の想いはもっと純粋だった。
本質を知っていた。
いい加減に認めなよ。
人間はコインの様に裏と表がある事を、さ。」


02/18 09:58

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裏表 2

*この物語はフィクションです。

「Rarry(ラリー)、私に武器は必要なのだろうか。」
Navy(ネイビー)は折れた木刀を握りしめ、呟く。
「え、どうしたんだ?」
Rarry(ラリー)は、突然出てきたNavy(ネイビー)の意外な言葉に目を丸くした。
「武器で人を傷つけるんじゃないだろうか。
いや、現に私は様々な人を傷つけている。
武器など無くても素手で人を傷つけたじゃないか。
そしてこの手だけで無く、言葉でさえも傷つけたかもしれない。
なぁ、Rarry(ラリー)、私に武器は必要なのだろうか。」
「Navy(ネイビー)、君は怯えているね?」
Rarry(ラリー)はNavy(ネイビー)の顔を見つめた。


02/17 23:57

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裏表 1

*この物語はフィクションです。

私は久々にRarry(ラリー)と出会った。

「やぁ、Navy(ネイビー)じゃないか。」
螺旋階段の途中に腰掛けて、一人ボーッと空を見上げていたRarry(ラリー)は、Navy(ネイビー)に気付くと話し掛ける。
「久しぶりだね、Rarry(ラリー)。」
「何か用事かい?」
「うん、ちょっと鎌が真っ二つに折れてしまってね。」
見事に2本になった鎌、もとい木刀をRarry(ラリー)に差し出した。
「あぁ、そうなんだ。鎌が真っ二つに……ってこれ本当に真っ二つだよ!」
折れた木刀を見るなり、顎が外れる勢いで驚いた。
「何で折れたのさ?」
Rarry(ラリー)は木刀をつんつんと手でつつきながら尋ねる。
「うん、まぁ他の死神とちょっと考え方が食い違ってしまってね。ドンパチと喧嘩になっちゃった。」
「で、その時折れたんだ。」
「うん、盛大にバキッと。」
Navy(ネイビー)はアハハと軽く笑い飛ばすと、
「今から新しい物を調達しようと思ってね。ここを通ったんだ。」
とRarry(ラリー)に言う。
「見つかると良いね。」
Rarry(ラリー)は言った。


02/17 23:21

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ショコラベリー

*この物語はフィクションです。

冬にしては珍しく、暖かい光が差し込んでいた。
「Navy」
私を呼ぶ声がする。
重たい瞼を開いてみると、Tia(ティア)という名の女性の幽霊が、暖かい紅茶を淹れていた。
「おはよう。」
彼女はニッコリ笑ってNavy(ネイビー)に言う。
「ごめん、暖かいからついウトウトしてしまったよ。」
Navy(ネイビー)はTia(ティア)からカップを受け取ると、紅茶を一口飲む。
甘い香りがした。
「これは…この香りはチョコレートかい?」
Navy(ネイビー)はTia(ティア)に尋ねる。
「えぇ、よく分かったわね。その紅茶は『ショコラベリー』って言って、チョコレートとストロベリーの甘い香りがするの。
今日はバレンタインデーだから、思わずこの紅茶を淹れちゃった。」
「うん、有り難う。美味しいよ。」
「どういたしまして。ついでにチョコレートもあるけど?」
「勿論、戴きます。」
Tia(ティア)は、はじけるような笑顔でチョコレートの箱を差し出した。
「これは義理かい?」
「さぁ、どうかしら?」
「お返しは何がいい?」
「んー思い浮かばない。」
「おいおい……」
良くも悪くもバレンタイン。
アナタにも幸せが訪れますように。

END.


02/14 01:13

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Power is unknown. 10

*この物語はフィクションです。

「結局の所、俺もお前も似てるんだよな。」
死神は言った。
「え?」
Navy(ネイビー)は意味が分からず、聞き返した。
「俺もお前と似た事を考えてたって事。
お前は自分自身に怯え、俺は世界に怯えている。
対象は異なるものの、思考回路は似てるって事さ。
あーあ……これから俺はどうしたらいいんだろうな。」
死神は地面に横たわったまま言う。
「世界はまだまだ捨てたもんじゃないよ。
私はまだこの世界を信じている。
少し、考え方を変えれば良かったんだ。」
Navy(ネイビー)は地面に座り込んで言った。
「そうか。つまりは……」
「破壊からは何も生まれないって言いたかった。
ただそれだけ。」
「そ、か。じゃあ、俺も破壊は止めて自分らしく生きる事にするよ。
既に死んでるけどな。」
死神は笑った。
「うん、じゃあ行こうか。」
Navy(ネイビー)は優しく笑った。

END.


02/14 00:43

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Power is unknown. 9

*この物語はフィクションです。

「何故殺さない?」
死神は尋ねる。
死神の両手首は抵抗出来ないように折られていた。
ただ、それだけ。
「必要ないと思ったからさ。」
Navy(ネイビー)はハァハァと呼吸をしながら言う。
「私は、もうあんな思いはしたくないから。」
他人を殺したという事実。
自分を殺したという後悔。
「怖いんだ。私は私の力が怖い。
自分の力がどれだけあるのか分からないから怯えているだけさ。
いつも思うよ。また誰かを傷つけてしまうんじゃないかってね。」

「じゃあお前は何故死神を続けている?」
死神は僅かにNavy(ネイビー)の方に顔を動かした。
「私が存在するには、死神をやるしかなかったからさ。
……結局、私は卑怯なだけなんだよ。
事実から目をそらし、楽な道ばかり選んでいる。
何も変わっちゃいないんだ。」
Navy(ネイビー)はうつ向いた。


02/12 11:42

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