小説

アンバランスな2人

*この物語はフィクションです。

「しかし、手掛かりにはならないな。」
俺は困った顔をして呟く。
「そうね。」
ユウは俺の意見に同意する。
「ねぇ、キョウ。醤油がさっき切れたから買って来ていい?」
ユウは台所から醤油の空の容器をちらつかせながら言う。
「何だよいきなり。どうしても今日いるものなのか?」
「いるに決まってるでしょ。」
「分かったよ。」
俺は財布から1000円を出してユウに渡した。
「俺も行きますよ。」
マサは慌ててユウの後を追う。
突然事務所は静かになる。
「やれやれ。」
誰もいない事務所で俺は呟く。
マサはユウに惚れている。
酒で酔った時、一度マサの本音が出た事がある。
ユウに彼氏はいないが、恋愛には鈍感。
あの2人は大丈夫だろうかとたまに心配になってくる。
嫁に行く娘を見守るお父さんの心境が何となく分かった。


08/05 21:58

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無邪気故に残酷な歌

*この物語はフィクションです。

「てるてる坊主の3番の歌詞はね。」
ユウは
紙にサラサラとてるてる坊主の歌詞を書いていく。

【てるてる坊主】
作詞:浅原 鐘村
作曲:中山 普平

てるてる坊主てる坊主
明日天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら
そなたの首をチョンと切るぞ

「うゎ。残酷。」
マサの顔が引きつった。
「でしょ。子供は無邪気だから逆に怖いのよね。」
「なるほど、確かに首を切るのと関連性があるな。」


08/05 21:33

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てるてる坊主

*この物語はフィクションです。

「「てるてる坊主?」」
俺とマサは困惑した表情で首をかしげた。
「そ。首切りと言えばてるてる坊主。」
「はぁ?」
「あら、知らないの?てるてる坊主。」
ユウ姉さんはからかうようにてるてる坊主という言葉を繰り返す。
「いや、てるてる坊主自体は知ってるけどね。」
マサは呟く。
「ユウ姉さん、てるてる坊主と首切りと何の関係があるんだ?」
俺は姉さんに尋ねる。
「てるてる坊主の歌よ。」
「てるてる坊主の歌?
それって確か…」
「そ。てるてる坊主てる坊主明日天気にしておくれで始まるあの歌よ。」
ユウ姉さんは髪の毛を手でいじりながら言う。
「てるてる坊主の歌はね。本当は3番まであるのよ。」
「ふーん。そこまでは知らなかったな。」
「でね。てるてる坊主の歌の3番の歌詞はかなり残酷なのよ。」


08/05 11:16

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Guillotine.

*この物語はフィクションです。

「そもそも、ギロチンとは死刑の方法の一種、斬首刑の執行具。
日本語では断頭台・断首台とも訳す事が出来る。
2本の柱の間に吊るした刃を落とし、丁度刃が落下する辺りに寝かせた人の首を切る道具である。以上。」
マサは俺の淡々とした解説を聞いて絶句している。
「マサ。お前はどう思う?」
マサに尋ねる。
マサはハッと我に返ると言う。
「ど、どう思うと言われてもなぁ。」
「首切りと聞いて連想する物は?」
マサは恐る恐る言う。
「戦国時代の武将のさらし首…?」
いわゆる落武者の事であろう。
「お前の連想の方が怖いと思うぞ。俺は。」
俺はやや呆れた顔で言い放つ。
「なぁ、ユウはどう思う?」
俺はユウに訊く。
普通の神経した女性なら気持ち悪い事言わないでとか言って拒絶する会話であるが、ユウは生憎肝っ玉が座っていた。
ひとこと「そうねぇ…」と呟くと、ボソリと言い放つ。
「てるてる坊主。」


08/04 23:56

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連想

*この物語はフィクションです。

「今までに起きた事件の数は47件。
日付や曜日や場所に法則は無く、全てバラバラ、か。
駄目だ。分からない。」
俺はひととおり資料やメモを読んで呟く。
既に上村と北川は帰った後で、事務所にはいつものメンバーだけである。
「キョウ。もう少し違う視点で事件を見てみよう。」
マサは一緒に資料に目を通しながら言う。
「例えば、何で首切りなのか。とかね。」
「う〜ん。」
正直、手掛かりがあるとは思えない。
「キョウ、首切りと言えば何が思い浮かぶ?」
「ギロチン。」
即答する。
「キョウって見かけによらずたまにサラッと怖い事言うよな。」
「普通だろ。」
「その思考回路が怖いって。」
マサの顔が引きつった。


08/04 23:21

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risk.

*この物語はフィクションです。

「まず、事件の概要ですが。」
最初の事件は3ヶ月前の5月4日に起きたという。
現場に行ってみると、そこには首と胴体が離れた死体があったという。
凶器は見つからず、犯人の見当すらつかない。
捜査は難航し、困惑している所に、他府県で似たような事件が起きたという。
「ちょっと訊いていいですか?」
俺は上村に言う。
「ハイ、何でしょう?」
「他府県まで似たような事件が起こっていると聞きましたが、今までで何件位事件は起きていますか?
また、事件発生の時刻と死体発見場所を詳しく教えて下さい。」
「分かりました。」
上村は事件発生時刻と場所を順番に分かりやすく教えてくれた。
本来、こういった事件のデータを一般人である俺達に教えるといった事は完全にルール違反で、減給や格下げ下手すると警官をクビになる筈だが、上村はリスクを背負ってでも事件を解決したいのだろう。
それだけ上村は本気なのだ。


08/04 11:15

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成立

*この物語はフィクションです。

「分かりました。協力します。」
安心させる様なゆったりした口調で上村に告げる。
うなだれていた上村は勢い良く顔を上げると
「ありがとうございます。」
と礼を言う。
「その台詞は何か手掛かりを掴んだ時にでも言って下さいよ。」
俺は微笑みを浮かべて言う。
北川は俺の言葉を聞いて悪態をつく。
「フン、キザったらしい野郎だな。」
「なんだと。」
悪態を聞いてムッとしたマサは、北川を睨む。
「やるか?!」
「北・川・君?無駄な喧嘩は止めなさい。」
上村はニコニコ笑って北川の頭を鷲掴みにする。
北川は上村の行動にビクリとすると、急に大人しくなる。
「チッ。」
態度は相変わらずだったが。
「上村さん。じゃあまずは手始めに、事件の概要と判明している事柄を教えて下さい。」
「分かりました。」
上村は頷いた。


08/03 23:33

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本気の目

*この物語はフィクションです。

「首切り殺人事件って今ニュースでやってるアレですか?」
俺は訊く。
「そうです。」
上村は肯定する。
「この事件は少々異常なんですよ。
私達警察が全力で捜査にあたっているのですが、犯人どころか手掛かりすら掴めない状況なんです。」
上村は困った顔をしている。
「確か、日本全国という広範囲で首切り死体が発見されているらしいですね。」
「そうです。年齢も性別もバラバラ。
被害者の共通点や接点も見つから無いんです。
勿論、日本全国規模なので、次に事件が起こる場所すら予測出来ません。」
上村はしょんぼりと落ち込んでいる。
その横でムスッとしていた北川が言う。
「そこで、だ。
今回内緒で特別に探偵に依頼して、手掛かりか犯人を見つけて貰おうって訳でココに来た。」
「え、それはつまり…」
「えぇ、本来ならこういった事は完全にルール違反です。
見つかったら即減給か格下げです。
だけど、このままだと大変な事になってしまうのは火を見るより明らかです。
だから、お願いします。
この事件の手掛かりもしくは犯人を見つけていただきたい。」
上村は真剣な表情で俺の顔を見た。
この目は本気だ。
土下座すらしてしまうかもしれない。
多分、いいと言うまでこの2人は帰らないだろう。
そして、俺は。


08/03 00:38

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降って沸いた依頼

*この物語はフィクションです。

「私は兵庫県警捜査第一課の上村 殿(うえむら てん)と申します。」
上村はニコニコ笑って警察手帳の1ページ目を開いて見せる。
年齢は28と割合若かった。
「同じく、捜査第一課の北川 新太(きたがわ しんた)。」
上村の隣にいる無愛想な男も手帳を開いて見せる。
年齢は25歳。上村より3歳年下である。
「はぁ。して兵庫県警のお2人は何故にこんな所に来たのでしょうか。」
俺は目をパチクリさせて尋ねる。
「ハイ、実はお願いしたい事がありまして。」
上村はユウが淹れたお茶を美味そうにすすると、俺に言う。
「はぁ。それはつまり依頼という事ですか?」
俺は上村に尋ねる。
「ハイ。そういう事になりますね。」
上村は相変わらずニコニコ顔だ。
「警部、やっぱり止めましょうよ。」
北川が嫌悪の表情丸出しにして上村に言う。
「そもそも探偵なんて奴は怪し過ぎる。」
北川が言いたい事は何となく分かった。
探偵という存在が気に入らないのだ。
マサはムッとして、北川を睨み付ける。
上村はまぁまぁと北川をなだめ、
「探偵さん。首切り殺人事件はご存知ですか?」
と訊いた。


08/02 21:44

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2人の男

*この物語はフィクションです。

「はーい。」
マサが事務所のドアを開ける。
そこに居たのは2人組の男。
「すみません。私兵庫県警の上村と申しますが探偵事務所ってココで合ってます?」
ニコニコ笑う男は開口一番に言う。
「は、はぁ。」
俺とマサとユウはポカンとした顔で警官を見つめる。
「ああ、良かった。」
警官はニコニコ笑う。
その隣の男はムスッとしてマサの顔を睨み付けている。
「とりあえず、話を聞きましょう。」
俺は言い放つ。
「ありがとうございます。」
警官はペコリと頭を下げる。
隣の男は不機嫌そうに舌打ちした。


08/02 08:47

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