「Navy」

憎たらしい程、大嫌い 4

*この物語はフィクションです。

「実は、君の弟は死ぬ予定にはなかった。」
死神はサラリと重大な事実を述べる。
「鬼籍って言う言葉は知ってるかな?
実は、その鬼籍っていうのは、死ぬ予定の者や、死んだ者の名前を表す閻魔帳の様なものでね。
その鬼籍には、名前と共に死ぬ時刻やどんな死にかたをするかも書いてあるんだけど、君の弟の名前が載った鬼籍には不明な点があってね…」
「不明な点?」
「死ぬ予定の時刻が無くて、死んだ時刻だけしか記されて無かった。
それだけでも異例の事なのに、更に君の弟の死因がなかったんだ。」
「死因が無い?」
「うん、まるで魂だけ抜き取られているようだ。」
「ねぇ、Navy(ネイビー)。
今更だけど訊いていい?」
「何だろうか?」
「弟の命を取ったのはNavy(ネイビー)じゃ無いんだね?」
「勿論。
しかし私のアリバイを示す物は何もないけどね。」


01/07 19:32

この記事を 編集・削除

[公開] [「Navy」]

コメント(0件)

憎たらしい程、大嫌い 3

*この物語はフィクションです。

「五月蝿いっ、死神なんか大嫌いだ!
僕の弟を殺した癖に。」
僕は死神に怒鳴ったら、死神はビクッと体を震わせ、そして呟く。
「弟を殺した?」
「そうだよ。皆誰も信じてくれないけど、僕は見たんだ。
翌日退院するはずだった弟の命を奪ったのは、お前みたいな黒服の死神だった。」
「もう少し、話を聞かせてくれないか?
実は、私もその事で来たんだ。
改めて自己紹介しよう。
私はNavy(ネイビー)、君にとって敵か味方かを判断する材料は何ひとつ無いが、出来れば味方に入れて欲しい。」
死神は微笑んだ。


01/07 14:21

この記事を 編集・削除

[公開] [「Navy」]

コメント(0件)

憎たらしい程、大嫌い 2

*この物語はフィクションです。

弟の命を奪った死神は、再び僕の前に現れた。
喪服のような黒い服。
憎たらしい程大嫌い。
だから僕は無視してやった。
「今日は。」
死神は挨拶する。
僕は返事をしない。
「私の名前はNavy(ネイビー)。信じられないと思いますが、死神です。」
聞こえていたけど、僕は無視をし続ける。
Navy(ネイビー)とかいう死神は困惑顔だ。
「あ、あれぇ?おかしな…」
とか間抜けな事を呟いてる。
そのまま無視を続けていると、死神は僕の周りにまとわりついて、おーいおーいと呼び掛けている。
僕は我慢出来なくなって怒鳴りつけたんだ。
だって、死神なんて憎たらしい程大嫌いだから。


01/07 11:01

この記事を 編集・削除

[公開] [「Navy」]

コメント(0件)

憎たらしい程、大嫌い 1

*この物語はフィクションです。

例えばそれは小さな違和感から始まる。

「そんな馬鹿な。」
黒い特攻服姿の死神、Navy(ネイビー)は、呆然とそれを見ている。
鬼籍。
それは死者を記す閻魔帳の様なもの。
「鬼籍に載る筈の無い者が死んで鬼籍に載っている…!?」
Navy(ネイビー)は鬼籍を見ながら驚きの声を洩らした。


誰も信じてくれないけれど。
僕は死神を見た。
弟が、病院で死んだ。
明日、退院するはずだった筈の弟が死んだ瞬間、僕は死神の姿を見た。
黒い服と、黒い大鎌。
TVや漫画やゲームのソレとそっくりで。
死神を見たと父に言っても母に言っても友達に言っても、誰も笑って相手にしてくれなかった。
僕は、死神が嫌いだ。
憎たらしい程、大嫌い。


01/06 22:12

この記事を 編集・削除

[公開] [「Navy」]

コメント(0件)

アイネ・クライネ・ナハトムジーク-小夜曲-

*この物語はフィクションです。

――そして輝く。

規模は小さいものの、そのコンサートは大成功を収めた。
天才と呼ばれたピアニストは、演奏が終わると同時に、微笑を浮かべて永遠の眠りについた。
彼の弾いた曲はモーツアルト作曲、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。

「僕にはもう未練なんて無いよ。」
「じゃあ、行こうか。」
「そうだね。」

そんな死神と死者のやり取りを見つめる人影がひとつ。
長く、黒く。
見つめている。
「見つけた。特攻服姿の死神、Navy(ネイビー)…」
禍々しく、微笑った。

END.


12/06 18:55

この記事を 編集・削除

[公開] [「Navy」]

コメント(0件)

大仏ブルー

*この物語はフィクションです。

Dive to blue
Dive to blue
憂鬱なロマンス
見放された X'mas
神も仏もあったもんじゃない
空耳ロンリネス
Dive to blue
大仏ブルー?

ありえない。
あと一週間であたしが死んじゃうなんて。
「何だったんだ…?」
しかも、夢じゃない。
彼と2人で同じ夢を見るなんて絶対にない。
これは、現実。
紛れもない真実。
「と、とにかくさぁ…続きをやろうぜ続き!」
さっきの出来事を吹き飛ばすように、彼はギターをヒョイと持ち上げる。
X'masまであと一週間。
丁度その日に、私達はライブをする。
まだ小さいバンドだけど、いつかメジャーになってデビューすればいいと思う。
だけど、あたしはデビューする事無く、あと一週間で強制的にこの世界からいなくなってしまうんだ…
どうすればいい?
何をすればいい?
「俺達は俺達で出来る事をやるんだ。
そうだろ?」
彼は微笑う。
彼は――強いと思った。

END.


12/06 08:36

この記事を 編集・削除

[公開] [「Navy」]

コメント(1件)

My girl

*この物語はフィクションです。

My girl 名前を呼んで
もう一度僕の名前を呼んで
My girl 僕だけの君でいて…

暖かい紅茶が湯気を立てて目の前に置かれている。
黒い特攻服姿の奇妙な恰好の青年は、そっとカップを持ち上げると、一口すすった。
「つまりね、彼は彼女の為に声が枯れるまで唄ったんだよ。」
黒い特攻服姿の死神Navy(ネイビー)は、目の前にいる女性に言った。
「素敵な話ね。」
女性、Tia(ティア)は話を聞いて頷く。
「精一杯、彼は彼女の為に唄った。
そして彼女は寿命が来るまで精一杯生きたんだ。」
「残された彼はどうしたのかしら。」
「今も…精一杯生きてるさ。
彼なら大丈夫。
かけがえのない大切な何かを見つけたみたいだから。」
Navy(ネイビー)は微笑った。

END.


12/03 11:24

この記事を 編集・削除

[公開] [「Navy」]

コメント(0件)

Imitation black. 5

*この物語はフィクションです。

Navy(ネイビー)と名乗る青年は、黙りこくったまま真っ直ぐに此方を見つめている。
「本当なのか?」
「えぇ、あと3日後に貴方は死亡します。」
「そうか。
だがワシは君が死神とは思えんね。」
「信じられませんか?」
「当然じゃ。
ワシには無理して強がって死神と語ってるようにしか見えんのじゃよ。」
「まぁ、そう思われても仕方ないですね。
でも、貴方が死亡するという事は本当ですよ。」
「そうか。」
「では、さようなら。
柿、ありがとうございました。」
若い死神は頭を下げると、フッと消えていなくなる。
やっぱり、どこか昔死んだ息子に似ていた。

END.


11/29 21:41

この記事を 編集・削除

[公開] [「Navy」]

コメント(0件)

Imitation black. 4

*この物語はフィクションです。

「隠していても分かっておるよ。
お主は天使様じゃろう?」
「違いますよ。
天使は普通、白くないですか?」
「いんや、そうとは限らんね。
天使が白だと誰が決めた?」
「……」
「天使じゃないとすれば、神様かのぅ?」
「どうしてそう思うんですか?」
「決まってるだろう?
こんな良い青年が悪魔や死神であるはずがないよ。」
「残念ながら、私は良い青年ではないのですよ。」
「良い青年ではないと?
それじゃあ君は…」
「ごめんなさい。
私は死神のNavy(ネイビー)。
貴方に伝えたい事があって来たんです。」
「もうすぐワシは死ぬのだろう?」


11/29 20:58

この記事を 編集・削除

[公開] [「Navy」]

コメント(0件)

Imitation black. 3

*この物語はフィクションです。

柿の実は段ボール箱一杯になり、木の上の柿をひとつ残して柿の実取りを終えた。
「ああして実をひとつ残していたら、来年もいい柿の実がなると言い伝えられておるんじゃ。」
「あ、それ聞いた事ありますよ。」
「しかし、沢山実を残したままじゃと、木から落ちて異臭がする。
その上、熟して甘いから虫が沢山たかってしまうんじゃ。
だからこうして毎年…」
「柿の実取りをしてる訳ですね。」
柿の実の皮を剥いて、オレンジというより赤く熟している柿を青年と食べる。
砂糖のように甘い旨味が口一杯に広がる。
「来年は柿の実取りも無理そうじゃなぁ…」
「何故ですか?」


11/29 18:01

この記事を 編集・削除

[公開] [「Navy」]

コメント(0件)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13



Sponsor

Menu

WriterProfile

Juggler-R

Calendar

まえ  2018/4  つぎ
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
01 02 03 04 05 06 07
08 09 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 -- -- -- -- --
-- -- -- -- -- -- --

Category

FriendsEntry

      more>>

NewComments

Search

rss
rss2

QRコード