「Navy」

Imitation black. 2

*この物語はフィクションです。

柿の実を取りながら、青年に話し掛ける。
パチン、
高枝切りバサミで枝ごと切って柿を落とす。
青年は落ちてくる柿を見事にキャッチしていった。
「昔はな、長い竹の棒で柿の実を取ったんじゃよ。」
「竹の棒で?」
「そうじゃ。
竹の先を少し割ってYの字型にして、Yの字になった所を柿の実にあてて、捻って取るんじゃ。
子供は大層喜んで取っていたよ。」
「子供じゃなくても楽しいですよ。柿の実を取るのは。」
青年はニコニコ笑って器用な手つきで柿の実を取っていく。


11/29 17:23

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Imitation black. 1

*この物語はフィクションです。

――天使じゃない。
――悪魔じゃない。

「大きな柿の木ですね。」
その青年は、何処からかフラリとやって来た。
黒い特攻服という奇妙な格好で、柿の木を見上げている。
「よかったら、柿の実を取ってみるかね?」
気付いたら青年に声を掛けていた。
その青年は、昔病気で死んだ息子にどこか似ている。
「いいんですか?」
ほら、その笑顔がよく似ている。
「勿論じゃよ。」
笑った。


11/29 16:30

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Hey boy 3

*この物語はフィクションです。

「何故か分からないけど、努力だけじゃ駄目な気がするんだ。」
「考え込む必要はないと思いますが?」
「多分、不安なんだと思う。」
「では、ひとつ良い事を教えておきましょう。
バレーボールというのは、サーブだけではないのですよ。
この言葉の意味が分かったなら、きっと明日は勝てますよ。」
そして黒い特攻服姿の男は去って行った。

翌日、バレーボールの試合には勝利した。
サーブだけがバレーボールではない。
つまり、バレーボールはチームワークでするものなのだと黒い特攻服の男は言いたかったのだろう。
だけど、人生って皮肉なもんだとつくづく思う。
試合が終わった帰りに、交通事故でそのまま死んでしまった。
途方に暮れていると、あの声が聞こえた。
「Hey,boy!」
特攻服の彼は死神だった。

END.


11/21 19:11

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Hey boy 2

*この物語はフィクションです。

「明日、勝たなきゃいけないんだ。」
特攻服の男に呟くと、彼は、
「バレーボールの試合に、ですか?」
と尋ねる。
「うん、だけどどうしてもサーブが上手く出来ないんだ。」
「だから、河原で練習していたんですね。」
確認するような男の問いにうなずいた。
「あなたが今やっている努力は素晴らしいと思いますよ。
苦手なら、練習すればいい。」
「だけど…」
「その努力はいつか花開きますよ。」
「うん、だけどそれだけじゃ駄目な気がするんだ。」


11/21 19:01

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Hey boy 1

*この物語はフィクションです。

「Hey,boy!」
河原で声を掛けられて振り向くと、そこには黒い特攻服姿の奇妙な男がいた。
無視してそのままバレーボールを拾って、練習を続ける。
今はそれどころじゃない。
明日、試合に勝たなければいけないんだ。
「手伝おうか?少年。」
特攻服姿の奇妙な男は、ニコニコと柔和な笑顔を浮かべると、そこらに散らばっているバレーボールを拾う。
そしてスッとボールを差し出す。
「放っといて下さい。」
特攻服の男を睨み付けると、乱暴にボールを受け取る。
「何を焦っているのですか?」
一瞬、心の中を見透かされた気がして、ボールを落としてしまった。
特攻服の男は笑顔を崩さず、再びボールを拾うと、
「悩みなら聞きますよ?」
と言った。


11/21 18:57

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風になりたい 3

*この物語はフィクションです。

「異世界ぃ〜?」
アメリアは疑いの眼でNavy(ネイビー)を睨み付ける。
「おや、貴女信じてないですね。」
「当ったり前でしょ!」
「では証拠をお見せしますよ。」
Navy(ネイビー)は懐から一冊の本と新聞を取り出すと、アメリアに手渡した。
「何、コレ…どういう事?」
「見たままです。
貴女は行方不明として扱われているのですよ。
今は西暦2007年。
貴女が飛行機に乗ってから、既に70年経っているのですよ。」
「そんな。」
「さて、その事実を踏まえた上で貴女に訊きます。
これから貴女はどうしたいのですか?」
「私は…それなら私は。」
風に…風になりたい。

END.


11/21 10:29

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風になりたい 2

*この物語はフィクションです。

「彼女は厄介なイレギュラーだね…」
黒い特攻服姿の奇妙な男は、コウモリに似た羽根を広げて飛び立った。
彼の名は、Navy(ネイビー)。
とあるきっかけで死神をしている。
死神達は黒い翼と武器を与えられ、あの世とこの世を行き来し、死者の魂を運ぶ。
そして、今回Navy(ネイビー)が運ぶ魂とは…
「鳥かと思ったわ。」
アメリア・イアハートはNavy(ネイビー)の姿を見るなり、驚きの声を上げる。
「いや、私は何処にでもいる死神という奴ですよ。」
鳥と間違われ、少々不満な顔でNavy(ネイビー)は言う。
アメリアは豪快にアハハと笑うと、Navy(ネイビー)に言った。
「何それ、新手のギャグ?」
「ギャグなんかじゃありませんよ。
貴女は死んだのです。」
「あんた冗談キッツいねぇ。
私は今、飛行機で空飛んでんの。
邪魔しないでくれる?」
「確かに、空を飛んでますが、気付いてないのですか?
貴女は飛行機に乗って空を飛び、異世界に迷い込んでいるのですよ。」


11/21 10:16

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風になりたい 1

*この物語はフィクションです。

――人は永遠に空を飛び続ける事は出来ないのだよ。
――それなら私は風になりたい。

[アメリア・イアハート]
(1897〜1937)
*女性初の大西洋単独横断飛行に成功した美しき飛行士*
アメリア・イアハートは、母親から自家用機を買って貰って操縦を習ったという、第一次世界大戦直後の女性にしてはかなり恵まれた経験をしていた。
また、医療関係の仕事に従事するという自立した生活も、新時代を生きる女性を象徴するものだった。
こんな経歴が、彼女の大西洋横断無着陸飛行という快挙に結びつく。
1928年のフライトは、男性操縦士との共同飛行だったが、1932年には、リンドバーグの飛行と同じコースを単独で飛んで成功する。
勿論、それは女性初の事であり、これが彼女に多くの勲章と名誉をもたらした。
リンドバーグの手記を出版し、アメリアの記録達成に寄与したジョージ・パットナムとの結婚も、この飛行がきっかけだった。
以後、彼の後ろ盾で、彼女は数々の記録をつくり出す。
その総仕上げが、アメリア40歳にしての世界一周飛行だった。
彼女は1937年5月27日、最新鋭機ロッキード・エレクトラでオークランドを離陸し、6月1日のマイアミでの最終点検を経て東まわりにコースをとった。
操縦桿(そうじゅうかん)を握るのは彼女だが、ナビゲーターの男性も同乗した。
アフリカ、インド、オーストラリアと順調に飛行は続いたが、7月1日、ニューギニアのラエを飛び立ったアメリアの機は、目的地のハウランド島に到着せず、消息を断つ。
断続的な雨の中、通信機のトラブルも発生していて、12時30分の連絡が最後になってしまった。
その直後には、アメリカ政府によって400万ドルをかけた捜索が行われるが見つからず、しなやかな体型をしたその美人飛行士は、今もなお、行方不明のままとなっている。

*参考文献:世界の美女と悪女がよくわかる本/島崎 晋監修、世界博学倶楽部 著・PHP文庫



11/21 10:14

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名も無き花 6

*この物語はフィクションです。

「さて、名も無き花よ、君は一体どうしたいのだ?」
死神Navy(ネイビー)は、優しい眼差しで小さな光を見つめていた。
「もう一度生まれ変われるなら、またお母さんの元で産まれたい。」
小さな光は、しっかりした声で死神に言い放った。
「では行こうか。
もう一度約束を叶えに。」
死神は、コウモリに似た黒い翼を広げると、小さな光と共に飛び去った。

名も無き花は、枯れて…咲いた。

END.




11/11 08:41

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名も無き花 5

*この物語はフィクションです。

「名前も無いまま流産で死んでしまった愛しの我が子へ。」
弱いお母さんでごめんね。
約束守れなくてごめんね。
苦しかったでしょう。
痛かったでしょう。
辛かったでしょう。
悲しくて涙が止まりません。
悔しくて悔しくてあなたの事をいつも思い出してしまいます。
本当に駄目なお母さんでごめんね。
あなたが成仏して、また生まれ変わるのを願っています。
今度こそ、あなたが産まれたなら、約束していた花畑を見に行きましょう。
お母さん、待ってるね。
「あなたの母親より。」
死神は、手紙を読み終えると、素早い手つきで手紙を畳んで封筒に戻した。
小さな光だけの存在は青き涙を流す。
「あなたは未練を持つ必要なんて初めから無かったのですよ。」


11/10 22:33

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