小説

追憶2

*この物語はフィクションです。

無事に高校を卒業し、俺はマスターの手伝いをしている。
そんなある日の事だ。
俺は恋をした。
丁度同い年の女の子だ。
彼女は毎日喫茶店に来た。
そしていつも俺と他愛ない話をして帰って行く。
ボーっとして赤くなってたら、いつもマスターにからかわれていた。
俺は彼女に好きだと告白し、何度かデートを重ねた。
本当に幸せな日々だった。
「ねぇ、もしも。」
彼女は唐突に俺に言う。

「もしもの話だよ。私が殺し屋に狙われて、殺されてしまったとしたら、どうする?」


07/25 10:17

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追憶

*この物語はフィクションです。

――生まれた時から銀髪だった。
名前すら無いまま、生まれてすぐに捨てられた。
銀髪だったから。
不気味に見えたから。
両親は俺を捨てた。
だから、俺には両親が居ない。
捨てられてすぐに、俺は小さな喫茶店のマスターに拾われた。
マスターには感謝している。
銀髪の俺でも差別無く笑顔で話し掛けてくれる。
俺はマスターに救われている。
小学、中学、高校といじめられたが、俺は屈する事無く学校には通い続けた。
学校は出ておかないと、マスターに申し訳ないから。


07/25 09:51

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ガラスの獣

*この物語はフィクションです。

「っぁぁぁぁっ!」
大学生はガラス玉の様な感情の無い目でギンを睨み付けると、ギンに飛び掛かる。
「止めろっ」
俺とマサは2人がかりで大学生を抑え込む。
しかし、物凄い力で跳ね飛ばされ、草むらの上を転がった。
「なんて馬鹿力だ。」
マサはしかめっ面を浮かべている。
そんな俺とマサにギンは言う。
「無駄だ。狂った人間はお前等には絶対止められはしない。
心が壊れ、狂った人間は、人間の姿をした怪物だ。
人知を超えた力を持つんだ。
もう、彼は自分の名前すら思い出せないだろうさ。
とにかく、お前等は黙ってそこでじっとしてろ。
俺が跡形も無く消し去ってみせるさ。」
ギンは泣いてる様な笑ってる様な、複雑な表情を浮かべて微笑んだ。
そして、ギンは俺とマサに近寄って、首筋に手刀を当てた。
俺は――意識が闇に堕ちて行くのを感じた。

もう、あの大学生は。
彼は帰って来ないと思った。


07/25 02:46

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凍った瞳

*この物語はフィクションです。

ギンはフッと微笑って大学生に問うた。
「何があったか“知らない”が、貴様は死にたいのだな?」
「ぅぁぁぅ…」
呻き声を上げたまま、質問に答えない大学生。
「フン、言葉もまともに喋れんか。」
凍った瞳で大学生を見つめる。
「一体何がどうなってんだ。」
俺とマサは困惑して立ち尽くす。
「黙っていろ。」
ギンは俺達に吐き捨てると、ゆっくり大学生に近付く。
「お、おい。」
「黙っていろと言った筈だ。」
呼び止める俺を無視して、ギンは大学生に言葉を放つ。
「そんなに死にたいのなら、睡眠薬なり首を吊るなりして、“自分で”自分の人生を終わらせれば良かったのでは無いか?
この世界には、自ら自分を死に至らしめる者は沢山、掃いて捨てる程いるのだぞ?
何故、自分でそれをしようとしないんだ。
俺にすがりつく必要なぞ無い。皆無だ。」
「る。殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやるっ――コロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルッ」
かつて犯罪心理学を研究していた大学生は、壊れたラジオの様に叫び続けていた。
「完全に壊れたな。狂ってる。」
ギンは俺の顔をチラリと見て不気味に微笑った。


07/25 02:27

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Crazy for your love.

*この物語はフィクションです。

「狂った、か。」
ギンは静かに呟く。
俺とマサは顔を見合せ、ギン達の前に飛び出した。
「お前ら。」
ギンは驚いて目を見開く。
「そこの大学生が失踪してね。依頼されて探しに来ただけだ。」
俺は事情を簡単に説明する。
大学生は頭を抱えて沈黙している。
そして、大学生はううぅと呻き声を発すると、口走った。
「俺は彼女を愛している。
狂おしい程、愛してる。
彼女のいない世界に意味は無い。
俺は死んで彼女の元へ逝くんだ。
死ねないと言うのなら、殺してやる。
誰も俺を殺してくれないなら、皆殺して死んでやる。」
「落ち着け。落ち着くんだ。」
俺は大学生にゆっくりとした口調で話掛ける。
「無駄だ、こいつはもう手遅れだ。狂ってる。」
ギンは冷たい声で俺に言い放つ。
嫌な沈黙が広がる。


07/23 19:51

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Why?

*この物語はフィクションです。

俺とマサが、地蔵森に足を踏み入れた瞬間に、僅かに男の声が聞こえた。
「断る。」
マサと顔を見合せ、声のした方向へ向かう。
「何故だ。」
そこに居たのは、見慣れた男と大学生がいた。
「お前など、殺す価値も無い。俺のリスクが高すぎる。」
見慣れた男、もとい殺し屋ギンは、大学生に向かって吐き捨てる。
「そんな…」
大学生、もとい依頼人の大学生息子は、呆然とギンの顔を見つめている。
俺とマサは近くの木の影に隠れて2人の様子をうかがった。
しばらく沈黙が続いたが、突然、大学生は狂ったように叫び出した。
「何故だ。何故何故何故何故何故何故何故何故っ!
あの世にいる彼女に逢いたいだけなのに、逢いたい逢いたい逢いたい逢いたいっ――」


07/22 18:13

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地蔵森

*この物語はフィクションです。

風呂から上がると、さっきの女将さんに会った。
「この辺りに観光名所とかありますか?」
女将さんは困った表情を浮かべて言う。
「名所といっても、この辺りには1ヶ所しかありませんよ。」
マサは是非教えて欲しいと頼む。
「ここから西に歩いて10分位の所に、静かな地蔵森があります。」
「地蔵森?」
「はいな。森のあちらこちらにお地蔵様がいらっしゃる場所なんですよ。
割と有名で、ちょくちょく泊まりに来た人が見学しにいきますね。」
女将さんは紙に簡単な地図を書いて渡してくれた。
「キョウ、どうする?」
「行ってみよう。」


07/22 15:32

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大浴場

*この物語はフィクションです。

女将さんは、最初不審そうな表情を浮かべていたが、失踪人を探してるのだと正直に理由を話すと、確かに失踪した大学生はこの旅館に泊まっていると教えてくれた。
俺とマサは同じ旅館に泊まる手続きをして、部屋に入った。
「さて、と。彼は何処にいるかだが。」
「まずは大浴場かな。」
「うん、最初にそこを探すのがベストだと思う。」
俺とマサは風呂道具一式を手に持って、大浴場に向かう。
大浴場とだけあって広くて小綺麗である。
脱衣所に彼の姿は見当たらない。
服を脱いで浴場の中へと足を踏み入れる。
ひとっこ一人見当たらない。
「いないね。」
「いないな。」
俺とマサは顔を見合わせると、同時に同じ台詞を吐く。
せっかく風呂に来たんだからと、2人で大浴場を満喫した。


07/22 11:52

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旅館

*この物語はフィクションです。

静かで落ち着く旅館。
俺とマサが向かった場所はそんな所だった。
「旅館、か。駆け落ちでもしたのか?」
マサはボソッと呟く。
「うん、その可能性も否定出来ないな。」
俺は肯定も否定もしない言い方で呟く。
「とにかく、旅館で訊いてみよう。
丁度失踪した大学生の写真が手元にあるしな。」
駆け落ちの場合、住所や名前が分かってしまうのは非常にまずいので、大抵宿帳に記入されている住所や名前はデタラメが多く、手掛かりにならない。
これは探偵社会では常識中の常識なので、失踪人を探す場合、失踪した本人の写真を借りるのだ。
俺とマサは、旅館に入り、写真を見せて女将さんに何気なく尋ねる。


07/22 00:38

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赤ペン

*この物語はフィクションです。

マサがガイドブックを開いて指差した場所には、赤ペンで印が付けてあった。
「ココにいるかもしれない。」
「根拠を述べよ。」
他にも同じように印がついていたので、何故ココだと思ったのか理由が知りたかった。
「赤ペンの印と共に、日付が書かれている。」
マサに抽象的な解答を言われ、俺は再度ガイドブックに目を落とした。
赤いペンで乱雑に丸印が付けられているその横に、小さく日付の様な数字が書かれていた。
他の印は赤ペンではなく、青ペンで書かれている。
唯一、赤い印の物は今日の日付が書かれていた。
「どうせいなくて元々、行ってみてもいいんじゃないか?」
俺は仕方ないと渋々頷いた。


07/21 23:24

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