小説

*この物語はフィクションです。

「さて、さっきの点字表と暗号を組み合わせて解読してみようか。」
俺は言う。
「ちょっと待て。
これおかしくないか?
『/』の記号は点字表には無いぞ。」
マサが呟く。
「『/』は恐らく区切りに付けたんだと思う。」
俺は答える。
ユウ姉さんは「でも」と呟き
「『/』が区切りだとしたら、おかしいわね。
点字っていうのは6つの『・』と『-』でひとつの文字を表すものでしょう。
だとしたら、この暗号は『・』と『-』の数が2つだったり3つだったり4つだったりとバラバラね。」
ユウ姉さんは暗号を眺めながら言う。
俺は言う。
「唯一6文字なのは最後の『・-・-・-』だな…」
暗号を見る。
メモ用紙に
・-
・-
・-
と書いて、点字表を見てみる。
・-
・-
・-

「『に』。」
全く意味が分からなかった。


07/16 15:34

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点字の五十音表

*この物語はフィクションです。

「で、これが点字の五十音表な訳だ。」
俺はパソコンに点字の五十音表を入力して写していく。

【点字の五十音表】

・- ・- ・・ ・・ -・
-- ・- -- ・- ・-
-- -- -- -- --
ア イ ウ エ オ

・- ・- ・・ ・・ -・
-- ・- -- ・- ・-
-・ -・ -・ -・ -・
カ キ ク ケ コ

・- ・- ・・ ・・ -・
-・ ・・ -・ ・・ ・・
-・ -・ -・ -・ -・
サ シ ス セ ソ

・- ・- ・・ ・・ -・
-・ ・・ -・ ・・ ・・
・- ・- ・- ・- ・-
タ チ ツ テ ト

・- ・- ・・ ・・ -・
-- ・- -- ・- ・-
・- ・- ・- ・- ・-
ナ ニ ヌ ネ ノ

・- ・- ・・ ・・ -・
-- ・- -- ・- ・-
・・ ・・ ・・ ・・ ・・
ハ ヒ フ ヘ ホ

・- ・- ・・ ・・ -・
-・ ・・ -・ ・・ ・・
・・ ・・ ・・ ・・ ・・
マ ミ ム メ モ

-・ -・ -・
-- -- -・
・- ・・ ・-
ヤ ユ ヨ

・- ・- ・・ ・・ -・
-・ ・・ -・ ・・ ・・
-- -- -- -- --
ラ リ ル レ ロ

-- -- --
-- -・ -・
・- ・- ・・
ワ ヲ ン


07/16 12:54

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ブライユ

*この物語はフィクションです。

「そもそも、点字って一体何なのかと言うと、」
俺は本を開きながら言う。

【点字】
点字とは、目の見えない人の為の文字で、凹凸を手の指先で触って読むものである。
現在、世界各国で使われている点字は、1829年にフランスの盲人ブライユが考え出したもので、日本では1890年(明治23年)に採用されて今日に至っている。


07/16 12:46

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点字

*この物語はフィクションです。

それまで黙っていたユウがボソッと言った。
「その暗号、点字みたい。」
数秒間の沈黙。
事務所内に緊張感が漂う。
マサはバタバタと走って本棚の前で何かを捜索した。
やがて、緊張した面持ちで、俺に1冊の薄い本を手渡した。
『初めての点字・入門編』
俺はマサから本を受け取り、訊いた。
「これで解読してみろ、と?」
マサは首をブンブンと縦に振る。
「自分でやれよ。」
喧嘩になった。


07/15 14:22

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マサ崩壊

*この物語はフィクションです。

「訳分かんねぇよ」
マサは机をひっくり返して叫ぶ。
【ガシャーン】
机は大きな音を響かせてひっくり返った。
ハァハァと息をするマサの肩をポンポンと叩いて言う。
「落ち着け。」
マサは「全然分かんないよ」と言いつつ、事務所の壁に頭突きをする。
そして、マサはハッと我に帰ると、また独り言を再開した。
「『クラウゼンの暗号』における『1935年版帝国統計年鑑』の様なキーブックがあるのかもしれない。」
「は?」
「第二次大戦中、電信係のマックス・クラウゼンという男性が英語を数字に暗号変換する際に、キーとなる本として、仮に見付かっても怪しまれない統計年鑑を使ったという話があるけど、この暗号にも実はそんな風なネタ本が…」
「ねぇよ。てかうるさい。」
俺はマサの後頭部にチョップを喰らわした。


07/15 13:26

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暗号解読

*この物語はフィクションです。

依頼人が帰った後、マサと俺は早速暗号解読に取り掛かった。
マサはブツブツと独り言を呟いている。
「暗号の基本と言えば、『カエサルの暗号』や『単一換字式暗号』だな。
しかし、この方式では解読不可能だな。
『探さないで下さい。』という言葉はキーワードなのか?
いや、違うな。」
数分の沈黙。
「かつてドイツ軍が採用し、世界の暗号解読屋を絶望へおとしめた『エニグマ』の様な暗号変換マシーンが…」
俺はツッコミを入れた。
「個人レベルでそこまでやる訳が無い。」
「第二次大戦中、アメリカ軍が駆使し、最近まで歴史に埋もれていた幻の暗号、ナヴァホ族の言語を直に使った『ナヴァホ・コード』とか。
いくつか穴の開いた型紙を暗号の上に置いて、穴から見えた文字を読む、16世紀イタリアで考案されたアレか?
まてよ。『踊る人形』の可能性も…」
しばらくマサの暗号うんちく話な独り言が続いた。


07/15 12:55

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Copy.

*この物語はフィクションです。

【探さないで下さい。】
・・・・/---/-・/-・・/・-/-・/・-/-・/---/-・/・-/-・-/・-/-・/---/-・/・・/-・-/-・-/・・/・-・-・-

白いメモ用紙に書かれた綺麗な字。
その下には、線と点の無機質な記号の羅列が続いていた。
「これが、机の上にあったんですか?」
メモ帳をジッと見つめながら、俺は依頼人に尋ねる。
「はい。どう見ても息子の書いた字です。
これを見たから、誘拐ではなく家出だと思ったんです。」
「ふむ。警察にこの紙を見せましたか?」
「はい。何か手掛かりになると思い、コピーした物を手渡しました。
今探偵さんが手にしているのは本物ですが。」
「ちょっとコピーを取ってもいいですか?」
「いいですよ。」
メモをマサに手渡し、コピーを取って貰う。
マサは興味津々といった顔でコピーを2枚取っていた。


07/15 12:02

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家出

*この物語はフィクションです。

「息子が家出したんです。」
と依頼人は話を切り出す。
マサは依頼人の話をメモしている。
息子が家出。
暗号と何の関係があるのか疑問に思いながら、話を進めて行く。
「はぁ。それはいつの事ですか?」
「3日程前です。」
「息子さんの年齢は?」
「19歳の大学生です。」
「警察には連絡しましたか?」
「一応、捜索願いを出していますが、あまり真剣には取り合ってくれませんでした。」
「では、最後に息子さんを見たのはいつでしたか?」
「3日前です。息子は『ちょっと出掛けてくる』と言ったきり、帰って来ません。」
「誘拐された可能性は考えられないでしょうか?」
「誘拐されたとは思えません。
実は、息子の部屋の机の上にこんな紙が置いてありました。」


07/15 10:58

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暗号

*この物語はフィクションです。

【暗号】
通信を他人に知られないように、当事者間で決めた符号。

その依頼は突然やって来た。
いつものように、昼近い時刻に事務所に顔を出すと、依頼人はいきなり言うのだった。
「暗号を解いて貰いたい。」
俺は寝ぼけた顔をして言う。
「はぁ。」


07/14 23:01

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News.

*この物語はフィクションです。

『この赤ん坊の発見者によると、コインロッカーから赤ん坊のような声が聞こえたので、駅員を呼んだと話しており、警察は事件の可能性があると見て調査を進めています。』
一瞬の沈黙。
ニュースは続く。
『続いて、今日午後12時頃、路上で若い女性の死体が発見されました。
女性は赤ん坊と共に行方不明となっておりましたが、発見されたのは母親だけで、赤ん坊はいなかったとの事です。
警察の話によると、死体は殺されてからあまり時間は経っておらず、先程のコインロッカーに入っていた赤ん坊と関連があるのではと見て、調査を進めています。』
俺は無言でテレビの電源を切った。
恐らく、ギンはあの後母親を殺害したのだろう。
何となく後味が悪い。
俺は買って来た本を開いて読むが、全く頭に入らなかった。


07/14 20:26

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