「Navy」

塔の上の最後の僕

戦争は苦しい。
戦争は辛い。
戦争は、悲しい。
戦争は、哀しい。
最後に残されたのは
瓦礫の山と
人間ですらなくなった人間と
頑丈な塔と
生き延びた僕。
今日も
塔の上で青い空を見つめている。
「他の場所に行こうとは思わないのかね?」
誰もいない筈の背後から、声が聞こえる。
振り向くと黒い特攻服を着た男が立っていた。
「君は誰だ?兵士か何かか?」
僕は特攻服の男に尋ねる。
「兵士でも戦士でも無いよ。
私の名はNavy(ネイビー)。
私を定義するものは何も無いが、しいて言うなら死神と言うね。
さて、君はここを離れる気は無いのかな。」
「うん、僕は何処にも行く気は無いよ。
僕はね、このまま塔の上で朽ち果てても良いと思ってる。」
「そうか。」
「最も苦しかったのは、戦争の犠牲になった人達だから。
だから僕は、この人達と枯れて行こうと思う。」
彼は、優しく、微笑う。
「好きにしろ。私は君を止めたりはしないよ。」
死神も――優しく笑った。

END.




08/15 22:16

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Spiral 2.

飛び降りてしまおうか。
一瞬、そんな考えがよぎるが、行動に移す気は毛頭無い。
恐らく、飛び降りても何も変わりはしないだろう。
此処は、無限に続く螺旋階段。
青年、Rarry(ラリー)は無限階段でさまよう亡霊で、いつも螺旋階段にいる。
しかし、嫌だと言う訳では無い。
案外、亡霊生活を楽しんでいたりする。
これは、自分で選んだ道なのだ。
「変わったお人だ。」
死神Navy(ネイビー)はクスッと微笑う。
「アンタもな。」
横目で黒い特攻服を着た奇妙な死神を見る。
「私は普通の死神です。」
「特攻服着た死神が何処にいるんだよ。
どう見ても木刀持ったヤンキーにしか見えません。」
「これは木刀ではなく、死神の鎌なのだよ。」
RarryとNavyが会話をしていると、誰かが螺旋階段を降りて来た。
足を滑らせて。
「キャッ!」
少女の短い悲鳴が聞こえる。
「危ないっ!」
Rarryは手を伸ばして少女を助けようとした。
Navyは慌てて呪文の様な言葉を唱えると、木刀を振る。
ドサッという音が響き、Rarryは少女を無事に救出した。
「この子、亡霊かな。」
Rarryは尋ねる。
「いや、彼女はれっきとした生きた人間。
さっき貴方を一瞬だけ実体にしたのですよ。
今は亡霊に戻ってます。」
少女はすぐに目を覚ますと、RarryとNavyの顔を見た。
「ありがとう。」
普通の人間には見えない筈のRarryとNavyに向かって言う。
「幽霊の俺が見えるのか?」
Rarryは尋ねる。
「うん。」
少女はにっこり笑う。
「私の名前はTail(テイル)。私、霊感強いから幽霊見えちゃうの。」
「あぁ、なるほど。」
「本当にありがとう。」
「これからは気を付けてね。」
「うん。バイバイ。」
少女、もといTailは手を振りながらゆっくり階段を降りて行った。
「珍しい来客でしたね。」
「あぁ。」
RarryとNavyは今日も無限に続く階段にいる。

END.




08/14 01:17

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Rainbow.

「虹が出てるわね。」
車を運転しながら彼女は言う。
助手席の男は綺麗だなと呟いた。

それは
七色に輝く君の姿。




END.


08/13 19:12

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Spiral.

昇っているのか
下っているのか
分からなくなってしまった。
青年、Rarry(ラリー)は無限階段でさまよっていた。
ゼェゼェと息をつきながら、時折遠くを見つめる。
青い空が綺麗だ。
「その迷いは君の魂の迷いだね。」
声が聞こえる。
若い、低い、声。
「貴方は誰ですか?」
Rarryは目の前に立ちはだかる人物に訊く。
「私は魂の案内人であり、魂の導き人である。
名はNavy(ネイビー)。
しかし君は私の正体を尋ねる前に、自分の居場所を尋ねるべきではないのかな?」
Navyは真夏だというのに長袖の黒い特攻服をはためかせながら、Rarryに話し掛ける。
「意味が分かりません。」
Rarryは即答する。
「そうか。
では訊くが、君は何故何の為にこの無限階段にいるのかな?」
「何故って。」
理由を言おうとして固まった。
思い出せない。
分からない。
「君はね、螺旋階段で足を滑らせたのだよ。」
「う、そだ。」
「Rarry君とやら…
君はこれから選ぶ道は2つにひとつなのだよ。
永遠に無限階段でさまよい続けるか、成仏するか。」
「俺、は。」
「さぁ、どうするのかな?」

――昇っているのか。
下っているのか。
分からないまま。
今日もRarryは晴れた青い空を見つめながら螺旋階段にいる。

END.





08/12 18:14

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I know my wisth. 5

*この物語はフィクションです。

目覚めたら病院だった。

「俺は…生きてる?!」
「良かった。」
目の前には涙を流しながら微笑む彼女がいた。
嗚呼、そうか。
I know my wish.
俺は自分の願いを知ったのだった。

「この世界もまだ捨てたもんじゃないな。」
俺は呟いて微笑む。
ずっと
この先も。
健康に生きて笑ってますように。

END.


07/07 21:39

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I know my wish. 4

*この物語はフィクションです。

「そして今日は、僕と貴方の願いが叶うのですよ。」
彼は俺の顔を見つめて微笑する。
「どういう事ですか?」
俺は彼に尋ねる。
「僕は毎年、夜空が見える七夕の夜、彼女と逢えるんです。
そして貴方は今日、長年の夢が叶う日なんですよ。」
彼はそう言って、懐から長細い青色の紙を取り出す。
「見覚えないですか?
この短冊を。」

【10年先も健康に生きてますように。 七海 信夜】
確かに俺の字で書かれている。
この短冊は、10年前に俺が願い事を書いた短冊だった。
「どういう、事でしょう?」
俺は困惑した。
「七夕の夜に奇跡を。」


07/07 21:31

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I know my wish. 3

*この物語はフィクションです。

「ほぅ。それはまた…」
彼は顔を曇らせた。
「俺はこの世界に失望してしまいました。
平和に生きるのさえ出来ない世の中なんて、無くなってしまえばいい。」
俺は自分の感情をさらけ出した。
「まぁまぁ、そう言わないで下さいよ。
今日は七夕にしては珍しく星が出ている。」
彼は夜空を見上げている。
「七夕が何だってんですか。
所詮、昔話でしょう?」
「まぁまぁ、人の話は最後迄聞いて下さいよ。
織姫と彦星の伝説は知っていますか?」
「え、えぇ。」
「星の出ている七夕の夜、織姫と彦星が一緒になれた時。
世界で1人、長年の夢が叶うのですよ。」


07/07 20:17

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I know my wish. 2

*この物語はフィクションです。

「僕はね、1977年の7月7日7時07分に死んだんだ。」
男はめでたい数字に死んだもんだと自分を皮肉る。
「両親から結婚の許可が下りて、彼女に報告に行く途中、交通事故で死んだのさ。」
本当、変な死に方だと彼は笑った。
「まぁ、その次の年に彼女も死んでしまいましたがね。
ところで、貴方は何故死んだのですかな?」
俺は
「分からないんです。」
と呟く。
「どうやら誰かに殺されたみたいですが、犯人の顔は見てないんですよ。」


07/07 19:59

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I know my wish.

*この物語はフィクションです。

気が付いたら死んでいた。

いつからこうなった
俺はどうなった
何故俺は死者になった?
もう何も信じない。
「悲観的になるなよ。」
男は俺に話掛けた。
まるで俺の気持ちを知ってるかのように。
「君に何が分かるんだ?」
俺は少々ムッとした。
「分かるよ。
だって僕も死者だもの。
少し話を聞いてくれるかな?」
男は微笑った。


07/07 19:27

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